ModelS 70Dから100Dへのバッテリー交換

2012〜2020年のレガシーモデルSとX（Xは2016〜2020）の大きなメリットの一つ、簡単に高電圧バッテリー交換が可能なのです。設備さえあれば１分半ほどで交換可能。以下2013年のテスラのイベント。

モデル３とYのバッテリーは簡単な交換式ではありません。その分軽量化とシャシー性能が高められており、従来の18650電池よりも高性能で信頼性の高い新型の2170電池により長寿命となっており、更に冷却性にも優れています。（テスラのバッテリー冷却システムに関してはこちらが分かりやすいです）

そこで本国アメリカでもテスラのバッテリー交換にはみなさん非常に関心が高いわけですが、
今年2025年7月、素晴らしいバッテリーアップグレードビデオが、アメリカオレゴン州ポートランドの電気自動車修理業者さんのYoutubeチャンネルで紹介されていましたのでご紹介します。

車両は2015年製70Dの47万マイル（75.6万km）走行の70kWhバッテリー（16％劣化240Ml→204Ml）を2022年製100kWh交換用バッテリーパックに交換します。バッテリー重量約500kgから約600kgのバッテリーへの交換となりますのでそれなりの設備が必要です。

交換部品として、ブラケットと高電圧ラピッドメイトのコネクタ部枠の交換が必要です。低電圧側はそのまま。バッテリー接続時はスコープを使いコネクタ部を慎重に位置合わせをする必要があります。
冷却系はそのまま使えるようです。

この車両に搭載されているMCU2の場合は、MCUだけでアップデート可能なようですが、一つだけ問題が生じており、それがリアドライブのToolBoxでの設定変更(P1)でした。

かかったコストは約1万ドル（148万円）とか。

充電も早くなりパフォーマンスも向上、何よりも航続距離が204Mile（328km）→310Mile（500km）となりました。

バッテリーの重量差が85〜120kgほどあるそうなので足回りの不安もありますがこの車両はバネサスなので今後の課題とのこと。私のはエアサスですので車高の問題は無しです。まあ大人１〜２人分の重量差なのでどうでしょうか。ちなみに私の70Dは足回りを14kgほど、12Vバッテリー交換で10.8kgの軽量化済みです。

しかし、いやいや羨ましい限りです。絶対に日本でもこんなことができるようにしたいですね。
やはりレガシーテスラモデルS、素晴らしい車ですね。
もちろん車は特にテスラはハードもアップグレードが次々とあるので最新モデルが最高のモデルなのは正解なのですが、古いのを長く乗りたい方々にも応えられる車なのかもしれません。

参考までに2015年MS70Dと2019年MS100D、2022年MSLRの比較です。

🔋 Model S バッテリーパック重量・比較表

項目	2015 Model S 70D	2019 Model S 100D	2022 Model S Long Range（100kWh）
バッテリー容量	約70 kWh	約100 kWh	約100 kWh
バッテリー構成	18650セル × 14モジュール	18650セル × 16モジュール	18650セル × 改良型モジュール or 初期4680計画
推定バッテリーパック重量	約500 kg	約585〜600 kg	約600〜620 kg
車両重量（全体）	約2,100 kg	約2,200〜2,250 kg	約2,200〜2,250 kg
航続距離（EPA）	約370 km	約540 km	約650〜660 km
備考	初期AP1搭載モデル	MCU2・AP2.5以降	インテリア刷新・Plaid派生あり

⚡ Model S 70D / 100D / 2022 Long Range：詳細比較

項目	2015年 Model S 70D	2019年 Model S 100D	2022年 Model S Long Range
駆動方式	デュアルモーターAWD	デュアルモーターAWD	新世代デュアルモーターAWD
0-100km/h加速	約5.4秒	約4.3秒	約3.1秒（※）
冷却システム	第1世代（標準液冷）	改良液冷システム	「Super Manifold」採用・熱制御最適化
バッテリー劣化率の目安（5年）	約10〜12%	約8〜10%	約5〜8%（改良版）
ソフトウェア制御	初期型（AP1）	MCU2 + Autopilot 2.5	MCU3 + 自動運転フル対応（FSD）
急速充電	最大90〜100kW（Supercharger v2）	最大145kW(V2)-180kW(V3)	最大250kW（Supercharger v3）